2009年04月17日

バアバ純愛

バアバは今年、米寿。
年明けからディサービスのお友達が他界され、先日も年下のお知り合いが亡くなったそうな。。。

「いつ死んでもさびしくないで・・・あの世でみんなが待っててくれるし」
バアバがつぶやいたので
「そうやね!お父ちゃんも待ってるわよ、亡くなって長いから、あの世じゃ、
えらいさんになってるかもよ」
と私が言うと、バアバは首をふった。。。。。

「お父ちゃんのところへは行かへん!あの人のとこへ行くんや!」

えっ?あの人?・・・・・なんのこっちゃ?

「あんたと昔、ようお墓参りした人のとこよ」

私は遠い遠い記憶を辿った・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう言えば・・・・・・
小さい頃、母に連れられ、山道を登ったところにあったお墓に、
たびたびお参りしたことがあったっけ・・・・・・・
幼心に「これは誰のお墓なんやろ?・・」と思いながら。。。

「あのお墓の、あの人って誰なん?」って聞くと

「戦争がなかったら、お母ちゃんはあの人と結婚するんやった。
 戦地から出してくれた手紙に、無事に帰ったらお母ちゃんをお嫁さんにしたいって
 書いてくれていたんよ。。。」
 との事。

   あれまぁ~すごい事、聞いてしもうたわ~!
   お父ちゃん、こんな事とは知らず・・・知らずにヨカッタと言うべきか・・・・

バアバ純愛  結局、そのお手紙が
  バアバのもとに届いたとき
  その男性はすでに戦死なさっていたとの事・・・

  同時にバアバは、大切な兄も戦争でなくし、
  お家存続のため、お嫁に行かず
  私の父を婿養子に迎えたってわけで・・・
  いい思い出だけで終わった悲恋を
  胸に秘めバアバは生きてきた・・・

  大好きな人を失くし、兄を失くした悲しみは
  到底、私には想像できない。 
  戦後何十年過ぎようと、
  バアバにとって戦争は終わっていない・・・
  いや、終わることはないのかもしれない。 



Posted by asuka at 22:33│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。